モーションプロファイル
機構を動かすために必要となる最適なモータサイズを特定することは、オートメーション産業分野のシミュレーションにおいて最も重要な目的の 1 つであり、MapleSim 2018 はこのタスクを簡便に実施するためのツールを提供します。新しい 1-D モーション生成アプリケーションを使用すると、定義された速度と加速度の制約条件に従ったモーションプロファイルを作成できます。これにより、MapleSim CAD Toolbox アドオンを使用して MapleSim に CAD モデルをインポートし、各ジョイントに対して所望のモーションを定義した上で、シミュレーション実施することで、そのモーションを成立されるために必要なトルクと力を算出することが可能です。したがって、そのシミュレーション結果に基づき、適切なモータサイズを検討することができます。
FMU インポート機能の拡張
MapleSim は、さらに多くのソフトウェアツールからモデルをインポートできるようになりました。MapleSim 2018 を使用すると、FMI 2.0 固定ステップ Co-Simulation や FMI Model Exchange を使用して定義したモデルをインポートできます。そのモデルである FMU (Functional Mockup Unit) をインポートした後、MapleSim の先進的な解析ツールを使用してモデルを分析することが出来ます。また、その FMU をより大規模なシミュレーションの一部として組み込むことができます。強化されたインポート機能により、FMI 向けアドオンの MapleSim Connector を使用してエクスポートされた FMI 2.0 に対応した FMU 全てを、他のツールへインポートする前に、MapleSim 上でテストすることが出来るようになりました。

Modelica サポートの向上
MapleSim 2018 での Modelica のサポートが向上したことで、さらに多くのサードパーティ製 Modelica ライブラリを MapleSim にインポートし、ユーザ独自のモデル内でそれらのコンポーネントを利用することができるようになりました
大規模モデルの処理の最適化
MapleSim での大規模モデルの処理に対して大幅な改良が行われました。
- 編集時のモデルダイアグラムの操作性が向上しました。
- 3-D アニメーションの実行に必要なメモリが大幅に減少したため、アニメーションをより迅速に作成して実行できるようになり、より長時間のアニメーションを生成できます。
Heat Transfer モデリングの改良
MapleSim Heat Transfer Library from CYBERNET アドオンでは、伝熱によるモデルへの影響を包括的に表現することで、性能を向上させ、熱暴走等を回避するための解析を実現します。
- 2 つの新規コンポーネント群により、さまざまな条件下で空気を通じた伝熱および水を通じた伝熱をモデル化する機能が追加され、モデリング範囲が拡大しました。
- 温度分布の可視化機能が追加され、各形状を表現したコンポーネントでは、オプションによって簡単に可視化機能を利用することが可能です。
より強力になった Hydraulics と Pneumatics
Modelon の MapleSim Hydraulics Library® および Modelon の MapleSim Pneumatics Library® (別個のアドオンとして使用可能) が、最新リリースの Modelon ライブラリを活用するように更新されました。このアップデートの最大の利点は、両ライブラリで、シミュレーション中の温度変化を考慮できるようになったことです。